活字の危うさ
僕は1975年にイスラエルのテルアビブヤッファで生まれました。父は日本人で母はギリシャ系キプロス人です。両親は74年にニコシアで結婚したのですが、ニコシアがそのあとすぐに戦争でゴタゴタしたと父の仕事の都合でテルアビブに移り住んだあとに僕が生まれました。
この限りなくウソばかりの文章は、10年位前、大学に入ったときに「自己紹介を提出してください」といわれて、丁寧にマイクロソフトワークスで作ってレーザプリンタで印刷して提出した自己紹介の一部です。
このうそばかりの自己紹介をきれいに活字にして真顔で提出したら、結構多くの人が信じました。結構ながいこと信じていた人もいました。
ディテールを細かくして活字にして真顔でいると、結構人間って信用しちゃうんですね。これは恐ろしいことです。
あなたのまわりに、そんな人とその人による活字、ありませんか?
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コメント
σ(^^) 信じました(笑)
しかも「ニューヨークで生まれて」とかそういう
ありふれた?国じゃないので
「うそ!かっこいぃ~」とか思ってしまいました。
投稿: haru | 2004.12.04 10:59
あ、すぐウソだと白状したから許してくださいね。
このようにディテールを細かく、多少真実(この場合、ニコシアが戦争でゴタゴタした)を混ぜて、さらに容易に想像できないディテールが後ろにあると信じやすいですね。これはストーリテリングの基本のようですが、フィクションではとても有効な手法ですが、ジャーナリズムでこれをやられると何を信じてよいかわからなくなる危険性というのがあるですよ。
投稿: akst | 2004.12.04 11:26
わはは。いや、信じちゃいますよ(笑)。
「突飛なことでも、ひとは信じてしまう」んでしょうね。話が具体的なであればあるほど。あと、その場に、イスラエルやギリシャに詳しい人もいなかったでしょうし、「ひょっとしたら本当なのかも」ってなるんでしょうね。
ラジオマニアなら、この話を聞いて、ウェルズのラジオ放送を思い出すのでは。昔、アメリカのラジオで「火星人来襲」のニュース(もちろんウソ)を流したところ、その話があまりに具体的であったために、かなりのひとが信じてパニックが起きたという実話なんですが。ジャーナリズムって扱いに注意が要るって思えますね。気を抜くとついだまされてしまう気がします。
投稿: まつ | 2006.06.03 20:31
ありましたね、オーソン・ウェルズの火星人襲来。
現実からウソ度の低いウソ、だんだんにウソ度の高いウソを重ねていくと、フィクションにリアリティを持たせることができるのはフォーサイスの著作やガンダムシリーズの世界観にあることです。
実際「戦争の犬たち」や「オデッサ・ファイル」はフィクションといえど、一部実話ですしね。
真実を見極めるのは難しい話ですよね。
投稿: akst | 2006.06.04 23:35