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2004.12.08

ミノフスキー物理学

以前真顔で大嘘をつくとどんなことがおこるかというような話をしました。そのときに
「ディテールを細かく、多少真実を混ぜて、さらに容易に想像できないディテールを後ろにつくるのがストーリテリングの基本」というようなコメントを書いています。

これをおおっぴらにやっているのが、ガンダム世界ですね。
ガンダムはスーパーロボット(無敵につよい勧善懲悪形ロボットアニメ)とリアルロボット(ストーリ性とディテールが高まったロボットアニメ)の間で、リアルロボットの先駆者となったとされています。ガンダムをリアルロボットたらしめている要因はいくつかあるのですが(多くの書籍で解説されているので割愛しますが)いわゆる「設定」という決まりごとを多く作ったのもリアルロボットたる要因の一つです。
話の風呂敷を大きくもって、その風呂敷の中にアニメの世界が描かれているお話があるのですよ、ということなのですが、多くのガンダム書籍で説明されているように、この風呂敷は大きいものから順に重なりあっていて、ガンダムというお話を包んでいます。そして、その大きさはウソ度(フィクション)の小さいものが大きく、フィクション性が高まるにしたがって小さくなる入れ子構造をしています。

具体的に言うと
スペースコロニー>ミノフスキー粒子>モビルスーツ(ロボット兵器)


というのは有名な話です。ガンダムにおけるスペースコロニーはまったくのフィクションではなく、アメリカのプリンストン大学のジェラルド=K=オニール教授の理論に基づく、実際実現可能な話です。
またミノフスキー粒子というのはまったくもってのフィクションですが、詳細にわたって作られているフィクションで「これで電波が届きにくくなるのでレーダーが使用不可能になり、そこで人間の形をした兵器が有用性を帯びてきた」と、もともとのロボットの話を裏付けるように作り上げられているのです。

ガンダムの魅力はこれだけじゃないんですが、まあ、ガンダムの話はこの辺で。話の本筋はフィクションとノンフィクションを織り交ぜたストーリテリング手法なので、別の話をします。

F=フォーサイスの「オデッサ・ファイル」では、もうそれこそどこがフィクションでどこがフィクションじゃないかわからないくらいそれぞれ織り交ざっています。その結果この小説は大ヒットし、映画にもなったわけですが、


オデッサ・ファイル

この話で主人公ミラーはが追う旧ドイツSSの将校ロシュマン大尉の、たとえば戦後の足取りと身体の特徴は事実だったりします。追うはミラーはフィクションによって作り上げられた人物ですが、ミラーは実在の人物ヴィーゼンタールと会話をします。話の筋はフィクションなのですが、随所に詳細に調査された歴史的事実が織り交ぜられており、それらが複雑に交錯して物語の魅力を大きくしています。

このように、フィクションのなかにノンフィクションを織り交ぜる、または積み重ねていくというのはストーリテリングでは本当に重要で魅力的な手法なのです。

逆にジャーナリズムにおいてこれを使われてしまうと、事実が捻じ曲げられてしまう危険性があるので、そこには注意が必要です。

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