篠原さん フォーサイスの翻訳
篠原さんといっても、別に知り合いじゃない。嫁に行った昔の同僚の旧姓でもなければ、嫁に行った昔の彼女の新姓でもない。フォーサイスの日本語訳をする人のこと。
やっと読み始めたフォーサイスのアヴェンジャー。
アヴェンジャー (上)
フレデリック・フォーサイス (著), 篠原 慎 (翻訳)
フォーサイスのマンハント(人狩)モノとしては、「ジャッカルの日」や「オデッサ・ファイル」のような導入部の複雑さが薄れていて、かつジグソーパズルのピースをちりばめるような文章のフラグメントは「悪魔の選択」や「イコン」のような複雑さもない。フォーサイス初心者向けみたいな出だしだなあと感じながら読んでいます。
が、が、
訳が、訳が、訳が、ちょっと毎回推敲がたりないなあとおもうんですよ、篠原さん!(と角川書店)
作品ごとにカナの表記の仕方がちがったり訳語がちがったりするのは目をつぶるにしても、日本語訳だけ読んでいても誤訳とわかるような訳が時々ありますよ。どことはいわないけど。
フォーサイスは最小限の文章で書き表すので原書でよむのはつらいんだから、最小限の文章で日本語訳するにしてももうすこし、えと、推敲してほしいなあ、って思うようになりました。いや、毎回そうおもうんだけど、だからといって原書を手にするほど根性ないのが、僕です。すみません、篠原さん。
いつになくネガティブなエントリ。
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コメント
翻訳については、いろいろ思うところがあります。とくに、最近ディランの詩を自力で訳し始めてその感が強まりました。
下手に訳すと、原書(原詩)の持つ価値を貶めたり誤って伝えたりしてしまうから。
でも、明らかな誤訳は勘弁願いたいですね。
ちなみにフォーサイスは、「ジャッカルの日」を映画で3度ほど観たことがあるだけです。あれはよかった。
投稿: 轍 | 2005.11.13 23:21
映画「ジャッカルの日」は小説に忠実ですね、あれはよかった。あとで「ジャッカル」とかいう映画になったときは、ひどかったらしいです。みなかったけど。
「オデッサ・ファイル」も小説に忠実によくできた映画ですよ。オススメです。
投稿: akst | 2005.11.15 23:12