祖父が他界しました。享年85歳。
陸軍に志願し騎兵として満州へ。除隊後警視庁へ。巡査から警視正まで、警ら勤務から警察大学校、機動隊、警察署長と勤め上げた人です。
孫にはやさしい祖父でしたが、よく考えたら軍隊から警察へ、という人だったので、厳格な人でもあったのです。
遺影は退官のときに撮影した警察の礼装制服のもの。金モールのついた礼装っていうのはなかなか立派なものでした。
ああいう礼装がある職業は、警官、消防士、軍人くらいしかないわけで、これは階級と指揮命令系統のある公務員にのみあるものです。
(ちなみに、この3つに階級があり、上官の命令が絶対なのは、死ぬかもしれないような任務を命令したり遂行したりすることが求められるためで、ヌルい上下関係では絶対に任務が遂行出来ないからです。この絶対的なシステムは共産主義において思想的に矛盾してしまったために、ソビエトでは「政治将校」というシステムを付随させたのですが、これはこれで軍事的にはとても非効率になってしまうものでした)
さて、警視庁。日本の警察は(建前は)地方(自治)警察なので、それぞれの都道府県に警察があり、それぞれ
「○○(道府県)警察本部」と呼ばれるのですが、日本の首都東京を守る首都警察だけは「警視庁」と特別扱いです。東京都の機関でありながら、警察庁の直接監督下にあります。(道府県本部長は警視監、警視庁のトップは警視総監で、各管区警察局局長も警視総監。階級も1個上です)
それに対し警察庁というのは、国が警察を監督するための官庁で、国の行政機関です。
よくこの2つ、ごっちゃになっていますが、桜田門にあるのは、「警視庁」のほうです。「警視総監」は「警視庁」の一番えらい人で、警察庁の一番えらい人は「警察庁長官」で、これはまた実は階級がない唯一の警察官だったりします。
祖父が他界したことで、警察のことをいろいろ考えてみました。
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