ここしばらくの税金泥棒といえば、社保庁、旧道路公団などですが、電子申告のやり方を見ている限り、国税も大変なお金を費やして、本当にどうにもなりそうにもないシステムを作り出してくれたようです。
【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)
電子申告するには、その人がその人であるとある信頼できる認証期間から認証されていることが必ず求められるわけですが、税理士会の人は税理士会から認証のカードをもらえるのでいいとして(それが仕事だ)、法人は登記所にいって認証カードを、個人は公的個人認証サービスという住基ネットにひもづけられた認証のカードをお金を出して発行してもらった上で、お金を出してカードリーダを買って、さらにそれで複雑な認証の手続きを踏まないといけません。お金と手間ばかりかかる。
結構これがすったもんだ。なにをどうすればいいか税務署に電話してもわかる人いません。
その証明書をインポートしたe-taxソフトでしか申告ができないのは、「なりすまし」を防止するためでしょうけれど、リアルに確定申告にいったときに、申告書の真正性や、提出者の認証(運転免許などでの確認)がされることがないのを考えると無駄に厳重ですね。
そして、申告書を作成するe-taxソフトの出来がすばらしいです。多分恐ろしく役人くさいやつが仕様書を書き、人海戦術のSIベンダーが力任せに作ったシステムっぽくて、硬直しすぎていて、意味がわかりません。多分これで申告をすんなり出来る人はほとんどいないでしょう。そしてとんでもない工数とお金がかかったように見受けられます。
(ちなみに、このe-taxソフトで記帳するのは、手でHTML書いてホームページつくるより、骨が折れます。数値の転記機能が貧弱すぎて使い物になりません)
ま、率直に言えば、普段使う会計ソフトの、電子申告用フォーマット出力機能を使わない限り、申告書、作れません。
普段使うソフトが電子申告用のフォーマットを出力できなければ、どうしようもない。
そして目玉の5000円の電子申告控除なんか、この手間とコスト(カードの発行手数料とカードリーダの代金)で吹っ飛びます。
今年は電子申告しようと思ったけど、こういうばかばかしい手間をかけるくらいなら、税務署いってから申告書書くほうがまだましのような気がしたので、やめました。今だと、認証カード申請しても、間に合わないだろうし。
それでも勇気(と認証カード)を持っている人は、カードリーダと気合と根性があれば、出来ると思います。
e-Tax対応ICカードリーダ
NTT-ME SCR3310-NTTCom
もうひとつ、税金泥棒といえば、金融庁の「金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム」、通称EDINETですね。
これはまあ、電子申告よりは煩雑じゃないけれど、実際報告書を作ったり、提出したりするのに、膨大な手間がかかります。そもそもこの手の報告書はプロのコンサルティングがなければ作れないけれど、作った報告書を提出フォーマットにコンバートしたり、認証とってアップロード(開示)したりする手間が本当に煩雑。
認証の手続きは国税よりは少し簡単で、郵便のやり取りがあったり牧歌的なんですけど、でもあっさり虚偽の報告書出されていたり、これのノウハウを持つコンサルティング会社(証券印刷会社2社しかない)のうち1社でインサイダー取引があったり、なんていうか、グダグダですね。
これも、電子政府化をめざして、予算つけて気合いれて仕様策定してつくってみたものの、大変になっちゃったって感じがします。
そうそう、こういう硬直した仕組みをつくっておいて、あとでバージョンアップのために入れ替えとかするとき、どうするんでしょうね?きっと社保庁みたいに、なっちゃったりするんでしょうか?
いずれにせよ、SIベンダーに高い税金を払って丸投げしちゃえとか、とにかく電子化だけでも進めようという意識が省庁にあるかぎり、省庁の役人とベンダーは税金泥棒だなぁと、個人的には思います。
もうすこしコンパクトで柔軟な仕組みを、低コストで作れるはずだ、という前提ですが。
(まあそれが多分最強に難しい。)
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