復活祭
ローマではそろそろ復活祭(パスクァ)の週だったので、あちこちで復活祭用の準備の品物を見ました。
あんまりキリストの復活の話がピンとこないわれわれ日本人ですが、ローマでは結構食品売り場とかは盛り上がっていました。
イタリアと関係ないけど、僕は復活祭というと、リムスキー・コルサコフの序曲「ロシアの復活祭」という曲がお気に入りです。
たいていシェエラザードのアルバムにあわせて収録されていることの多いこの曲は、割と辛気臭い(注)導入から、きらびやかなフィナーレまで、天才リムスキー・コルサコフの魅力がたっぷりなのですが、この曲の辛気臭い部分は、先に死んだムソルグスキーとボロディンというロシア五人組の2人の作曲家にささげられています。
ムソルグスキーは結構不遇の作曲家で、聞いているとやっぱ不遇だったんだなぁという気がします。
ボロディンは化学者で医者だったので、そのあたりは曲に余裕があるかんじ。
そんな2人への友情としてささげられた曲ですが、ちょっとかわいらしいコラールみたいな部分もあって好きなのです。
作曲家の友情といえば、前に紹介したウォルトンの「ヒンデミットの主題による変奏曲」はなかなか楽しかったです。
ヒンデミット : ウェーバーの主題による交響的変容 / ウォルトン : ヒンデミットの主題による変奏曲 他 | |
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ヒンデミットの「ウェーバーの主題による交響的変容」とカップリングになっているこのCDは、その趣旨が面白い。
申し訳ないけど、僕にとって「ウェーバーの主題による交響的変容」は、とても眠りやすい曲で、眠れないときにこれを聞いていると第2楽章あたり以降の記憶がなく朝を迎えられるというとてもありがたい曲なのですが、曲自体はとても面白いです。
だいたい、最終楽章なんか、葬送行進曲をあれだけ楽しげにアレンジする人は僕は知らない。
これに呼応するように、「ヒンデミットの主題による変奏曲」も楽しい曲です。辛気臭い英国人作曲家のなかでも辛気臭いウォルトンにも、こんな曲があるんだ!って感じです。
(ウォルトンは交響曲第1番が絶望的で救いがないので、好きじゃない人も多いけど、結構いい曲つくってますよ。)
ちなみに、ヒンデミットはこの曲ができたことをとても喜び、友情に感謝し、自分で指揮することをとても望んでいたのだけど、その希望かなわずに亡くなってしまいました。
復活祭から、話がつれづれに作曲家の友情までいってしまいました...
(注)僕はよくクラシックの曲に「辛気臭い」と書くことがあるけれど、あんまり悪意はないんです。荘厳な、とか、情景深いアンダンテとか、そういう表現が恥ずかしいっていうか、まあ、そういう感じ。
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コメント
ムソルグスキーは、EL&Pで有名?
本末転倒。
投稿: 中村 | 2008.03.20 18:51
中村さん、そう、ELPなんですよ。っていうか、そうやってアレンジされる前の、ピアノの原曲は、なんていうか、ぱっとしないのです。いい曲ですけれど。
投稿: akst | 2008.03.21 20:45